TAVARUAストーリーVOL.13
エピックデイのクラウドブレイク。

フィージー タバルア島

このサイズ/ダブルオーバーヘッドになると、エキスパートオンリーになるクラウドブレイク。
一見ゆっくり迫ってくるウネリは想像以上にスピードが速く、さらに水の量が多い。
テイクオフからいきなりチューブにならないように見えるが、波の斜面にレイルをセットした辺りで、張りのあるショルダーがダブルアップし、大きなバレルとなってサーファーを包み込んでくれる。

最初のバレルセクションをクリアしてボトムに向かうと、さらに長い波の壁が張り、詰め寄ってくるように盛り上がってくる。分厚い水の塊が目の前に広がるのは、慣れてないサーファーにとっては恐怖でもある。
クラウドブレイクの第2セクションは、その長い壁が巻き上がってくる。
もうピット/波の懐に入ってロングチューブを突き抜けるしか道は無い。
怖がって岸にノーズを向ければ、浅いリーフにもっていかれる。突っ込んで、一生に何回も味わえないロングチューブをドライブする方が良い。
クラウドブレイクはパーフェクトだから、ボードをコントールしながらスピードをキープできれば、そのロングチューブはクリアできる。波が自分を運んでくれるような感覚だ。
凄い勢いで後押ししてくれる波のパワーに身を任せると、セクションの出口が見えてくる。
祈りながら出口を目指すと、スッポーンッ!って感じで陽が当たる外界に吐き出されるのである。

クラウドブレイクの凄いところは、さらなる第3セクション…エンドセクションにあるバレルだ。
第2セクションをクリアして出てきた辺りは、水深が1メートルくらいの美しい珊瑚礁エリア/通称シシケバブ。
透き通る海水が筋になって巻き上がっくる。安全策を取るなら、ここでプルアウトしてもいいだろう。
しかし、ラストセクションのコーナーで巻き上がるバレルをくぐり抜けてこそ、クラウドブレイクを満喫したことになる、ミスは厳禁、、、ワイプアウトは、危険なセクションだ。

これまでのサーフィン人生で培ったセンスを注ぎ込み、そのエンドセクションのバレルに突っ込むことこそ、サーファーにとっての至福だと思うのは私だけだろうか。。。

PS
ボートでクラウドブレイクに着いた時、目の前にこういう波がそびえ立っていてビビってしまったら、無理して入ることはない。
島に戻れば、レストランの目の前で、ヘッドサイズのスーパーブレイクが貴方を優しく迎えてくれる。
世界有数の高速ロングウォールを思う存分楽しめばいい。

surfer: Gade / Tavarua boat man
story by Tokushi Akai


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